【備忘録】閃輝暗点だと思う。 - きまブログ
の補足です。
芥川龍之介の「歯車」の中で、閃輝暗点(せんきあんてん)と思われている症状について書かれているとのことだったので、読んでみました。
- 作者: 芥川竜之介
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閃輝暗点と思われる症状が描写されている箇所は(おそらく)3箇所。
短編ですので、遅読のボクでも2日で読めました。
気になる方は、ぜひ。
(位置No.は、Amazon Kindleでの表示に基づきます。)
位置No.64
閃輝暗点後、偏頭痛に襲われることが描写されています。
のみならず僕の視野のうちに妙なものを見つけ出した。
妙なものを?−−と云うのは絶えずまわっている半透明の歯車だった。
僕はこう云う経験を前にも何度か持ち合わせていた。
歯車は次第に数を殖やし、半ば僕の視野を塞いでしまう、が、それも長いことではない、暫くの後には消え失せる代わりに今度は頭痛を感じ始める、−−それはいつも同じことだった。
芥川龍之介「歯車」より引用
位置No.311
閃輝暗点は片目だけの症状であるようです。ボクは両目同時でしたよ。
べロナール(ヴェロナアル)は、睡眠薬です。
僕の右の目はもう一度半透明の歯車を感じ出した。
歯車はやはりまわりながら、次第に数を増やして行った。
僕は頭痛のはじまることを恐れ、枕もとに本を置いたまま0.8グラムのヴェロナアルを嚥み、とにかくぐっすり眠ることにした。
芥川龍之介「歯車」より引用
位置No.588〜592
ボクが見た感じと同じ「細かい切子ガラスを透かしてみる」症状が描写されています。
なるほど、こうやって表現するのか。。
そこへ半透明な歯車も一つずつ僕の視野を遮りだした。
歯車は数の殖えるのにつれ、だんだん急にまわりはじめた。
丁度細かい切子硝子を透かして見るようになりはじめた。
芥川龍之介「歯車」より引用