きまブログ

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閃輝暗点の描写・芥川龍之介「歯車」

【備忘録】閃輝暗点だと思う。 - きまブログ
の補足です。


芥川龍之介の「歯車」の中で、閃輝暗点(せんきあんてん)と思われている症状について書かれているとのことだったので、読んでみました。

歯車

歯車

歯車―他二篇 (岩波文庫 緑 70-6)

歯車―他二篇 (岩波文庫 緑 70-6)


閃輝暗点と思われる症状が描写されている箇所は(おそらく)3箇所。


短編ですので、遅読のボクでも2日で読めました。
気になる方は、ぜひ。


(位置No.は、Amazon Kindleでの表示に基づきます。)

位置No.64

閃輝暗点後、偏頭痛に襲われることが描写されています。

のみならず僕の視野のうちに妙なものを見つけ出した。
妙なものを?−−と云うのは絶えずまわっている半透明の歯車だった。
僕はこう云う経験を前にも何度か持ち合わせていた。
歯車は次第に数を殖やし、半ば僕の視野を塞いでしまう、が、それも長いことではない、暫くの後には消え失せる代わりに今度は頭痛を感じ始める、−−それはいつも同じことだった。

芥川龍之介「歯車」より引用

位置No.311

閃輝暗点は片目だけの症状であるようです。ボクは両目同時でしたよ。
  べロナール(ヴェロナアル)は、睡眠薬です。

僕の右の目はもう一度半透明の歯車を感じ出した。
歯車はやはりまわりながら、次第に数を増やして行った。
僕は頭痛のはじまることを恐れ、枕もとに本を置いたまま0.8グラムのヴェロナアルを嚥み、とにかくぐっすり眠ることにした。

芥川龍之介「歯車」より引用

位置No.588〜592

ボクが見た感じと同じ「細かい切子ガラスを透かしてみる」症状が描写されています。
なるほど、こうやって表現するのか。。

そこへ半透明な歯車も一つずつ僕の視野を遮りだした。


歯車は数の殖えるのにつれ、だんだん急にまわりはじめた。


丁度細かい切子硝子を透かして見るようになりはじめた。

芥川龍之介「歯車」より引用