きまブログ

2022-12から再開しました。

「生物と無生物のあいだ」

思いがけなく,小説のような出だしで始まるこの本。

著者のロックフェラー医学研究所での思い出話などを挟みながら 話が展開していきます。

各章の冒頭は、唐突にそして一見関係のない話から始まりますが、これは,その後に続く内容をスムーズに理解するための布石。

話の核心部分で、流れを妨げる解説が入らず、
ストレスなく読み進めることができ、全体としてとても読みやすくできています。

内容は、前半がDNAの概要を発見のエピソードを交えながらやさしく解説。

後半は、どのようにして生物は生き続けているのか? というようなことを論じながら、生物と機械の違いにいたります。

僕は、高校時代、物理と化学を重点的に勉強しており、 生物はほとんど勉強していないので、 恥ずかしながら、高校レベルも理解できておりません。

まだ、僕の中では「はっきりと分かった。」と言えませんが、 ネットを通じて、生物について調べ学ぶきっかけになりました。

ここで、僕が「へぇー」と思ったことをひとつ。

日頃、DNA=遺伝子というのを、よく耳にしますが、DNAこそが遺伝情報を伝達するのもの。 つまり遺伝子である。

ということは最初から分かっていたわけではなかったんですね。 その発見に至るエピソードも大変おもしろいものでした。

また終盤、筆者のGP2なる酵素に関する研究競争の件(くだり)は、ミステリーさながらの展開。息をのみ一気に読んでしまいました。


この本を読む直前に「攻殻機動隊」と「イノセンス」を見ました。

ただ「久しぶりに見たいな。」と思い、またこの本も「次はこの本にしよう。」 と思っただけで、なんの意図もなかったのですが、いいタイミングでした。